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聞け、イスラエルよ

202402池袋台湾教会


申命記6:4-9「聞け、イスラエルよ。主は私たちの神。主は唯一である。 

あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。 

私が今日あなたに命じるこれらのことばを心にとどめなさい。 

これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが家で座っているときも道を 歩くときも、寝る時も起きるときも、これを彼らに語りなさい。 これをしるしとして自分の手に結びつけ、記章として額の上に置きなさい。 これをあなたの家の戸口の柱と門に書き記しなさい。」 



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1.聞け 

冒頭の「聞け、イスラエルよ」はヘブル語で「シェマー・イスラエール」と発音され、今 でも敬虔なユダヤ人たちはこの4-9節のことばを毎日繰り返します。 イエス様も(マルコ12:28-31)「すべての中でどれが第一の戒めですか」と尋ねる律 法学者に、あえてこの冒頭のことばを入れて語られました。 「聞け、イスラエルよ。主は私たちの神。主は唯一である。・・・力を尽くして、あなた の神、主を愛しなさい。」と引用し、「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい」と 並べて、これこそ重要な律法だと答えられました。 私たちも今朝、神様のことばを聞きましょう。皆さんは、よく話すタイプですか。それ とも人の話を聞くことの方が多いでしょうか。きっと自分の近くにいる身近な人(家族 や職場の人や近所の人たち)と比べて、自分はよく聞く人だと思うとか、しゃべってば かりかもしれないとか、それぞれに思うことがあるでしょう。 いずれにせよ、私たちは人とのコミュニケーションを取るために、話したり聞いたりし ます。そうやって日々を過ごしているのです。 そんな私たちに、神様はまず「聞け」とおっしゃいます。 ここで気づくことがあります。たとえ人の前で、自分がしゃべっていなくても、”聞いて いない”という状況があるということを。私たちは黙っていれば聞いているのかというと 必ずしもそうではありません。私たちの口から言葉が出ていなかったとしても、心や頭 の中では様々な考えや思い、計画、望みが渦巻いているものです。そういう時は、人 の声を「聞く」よりも、自分の声を聞くことで精一杯になっていると言えるのかもしれま せん。 しかし、私たちは、自分の考え、計画、望みを思い巡らし、語るのでなく、まず、主の 前に聞くことが必要です。 

 

 

2.主は私たちの神 

主は「私たち」の神です。私を救い、導いておられるお方ですが、私にだけ語り、私 のためだけに働かれているお方ではありません。私も、皆さんもこのお方に贖われ、 導かれ、愛されてここに置かれています。イエス様が教えてくださった「主の祈り」でも 「天にまします我らの父よ」と祈るように言われています。私たちは共に、唯一の神様 を「お父さん」と呼ぶことが許されている神の家族なのだということを覚えたいです。 

    

3.あなたは、主を愛しなさい 

そして5節からは「あなたは」と二人称になっています。一人ひとりに個人的に、主を 愛するようにと命じられています。 つい他の人のことを気にしたり、比べたりしてしまう私たちではないでしょうか。人と 自分は性格も賜物も違うと分かっていながら、「あなたが主を愛する」ことと「隣人が主 を愛する」ことを、程度や頻度、愛し方の面で比較しているとしたら、まず自分自身が この主の命令を聞かなければなりません。あなたは、主を愛するべきです。他の人が その人の信仰の歩みで決断したことをとやかく言う必要はありません。あなたご自身 が、主を愛して、このことを、またあのことをやっているのか自分に問うべきです。人と 比べる必要はありません。 

 

 

 

4.心にとどめ、そして教え込む 

6節の「とどめなさい」は新改訳第三版では「心に刻みなさい」でした。「刻む」という 方が、十戒が石の板に刻まれたことを想起させることばで、「とどめる」よりも強い感じ がします。が、いずれにせよ、主のことばがいつも心にあるようにしなさいということで す。 このことばを「理解しなさい」「学びなさい」ではありません。「教え込む」「(いつも)語 る」そうすることで、ユダヤ人の子どもたちの心にはしっかり刻まれ、覚えていきます。 私たちの生活が「主の目にかなう良い」(v.18)ものと形作られていくためには、主の みことばを覚えていること、身についていることが必要なのです。具体的にユダヤ人 たちはこれを子どもたちによく教え込み、いつも語り、いつでも目につくようにすること を命じられたので、敬虔なユダヤ教徒たちは徹底していました。 私たちは、子どもたちに(それは実際に血のつながった子どもというだけではないで しょう)よく教えるものでありましょう。みことばを心に刻み、自分だけでなく彼らにも しっかりと示していくものでありましょう。 

 

 

5.警告ー忘れるな 

10節以降でモーセは、イスラエルの民が約束の地に入ってからのことを心配し、 「・・・神、主は・・・あなたに与えてくださる。それであなたは、食べて満ちたりるとき、気 をつけて、・・・主を忘れないようにしなさい。」と命じました。 

イスラエルの民に国と繁栄を与えたのは主ご自身であるのに、それを忘れるという ことが起こりうるのです。この世のすべてのものは、唯一の神様の御手の中にありま す。けれども私たちの生活の中で、ともすると富や名誉への執着が増し加わり、イス ラエルの民が「ほかの神々に従って行ってはならない」(v.14)と警告されているよう に、主のご支配を忘れ、他のものに頼るような生き方を正当化する可能性がありま す。 

イエス様が公生涯の初めに四十日間、荒野で悪魔の試みにあわれた時、ご自身の 

 

 

 

心に刻み込んでいたみことばをもって勝利しました。(マタイ4:1-11) あの時、悪魔はイ エス様を神殿の屋根の端に立たせて「あなたが神の子なら下に身を投げなさい。『神 はあなたのために御使いたちに命じられる。.......』と書いてあるから」と誘惑しました が、これも人間的に考えれば、私たちの信仰の力を世の人々にアピールする絶好の 機会と言えるのかもしれません。 

でも、その時イエス様が引用されたのは、申命記6:16「あなたがたがマサで行った ように、あなたがたの神である主を試みてはならない。」でした。これは出エジプト記 17:1-7の出来事で、イスラエルの民が「飲む水を与えよ」とモーセと争い、「主は私た ちの中におられるのか、おられないのか」(17:7)と言って「主を試みた」と言われてい るところです。イスラエルの民は、神様のみこころに従う代わりに、自分たちの願望を 押し付け、神様を操作しようとしたのです。 

 

そんな彼らにモーセは言います。(主を試みるのでなく、主の命令を必ず守り)「主の 目にかなう良いことをしなさい。そうすれば・・・」(6:17-19)と祝福の約束が伴う命令を 与えたのです。 

イエス様が荒野で悪魔の試みにあわれた時、最初に来た誘惑は40日40夜断食し て空腹を覚えていた時の「あなたが神の子なら、この石がパンになるように命じなさい」でした。(マタイ4:3)申命記8:3にまさにイエス様がこの時引用されたみことばがあ ります。「人はパンだけで生きるのではなく、人は主の御口から出るすべてのことばで 生きるということを、あなたに分からせるためであった。」まさにイスラエルの民が40年の間、荒野で歩ませられた道と重なるようにして、イエス様は40日間の断食を経験さ れました。神様はあえてイスラエルの民を「苦しめ、飢えさせて・・・マナを食べさせ」た のですが、それは、目に見えるパンよりも主の御口から出るみことばによって生きると いうことを体験させるために「訓練された」のでした。(8:5)モーセは言います。(8:16 )神様がイスラエルの民にマナを食べさせたのは「あなたを苦しめ、あなたを試し、つ いにはあなたを幸せにするためだった」 

苦しみは無駄ではありません。神様の用意されている幸せがあるのです。だから 

あなたは心のうちで、『私の力、私の手の力がこの富を築き上げたのだ』と言わない ように気をつけなさい」(8:17)と警告されています。富や地位や名誉、名声は私たちを 惑わすからです。大きなつまずきになりかねません。 

 

 

6.主を心に据えなさい 

だからこそ、モーセはここで続けて命じます。「あなたの神、主を心に据えなさい。主 があなたに富を築き上げる力を与えるのは、あなたの父祖たちに誓った契約を今日 のように果たされるためである」(8:18)

       

 

神様が私たちを力づけ、導いてくださるのは、神様の一方的な愛、神様が私たちと 結んでくださった契約に対するご自身の誠実さ故なのです。私たちがなすべきこと は、忘れないように、いつでもどこでも主を心に据え、主のことばを思い起こし続ける ことです。 

皆さんは、今どのようなところを歩んでおられるでしょうか。日々忙しく、色々なことに 心捕らわれ、忘れやすい私たちだからこそ、神様は「心にとどめなさい」「教え込みな さい」と繰り返しおっしゃるのです。軌道修正が必要になるからこそ、神様の恵みに気 づけるように、時に苦しめ、試みにあわせ、その後、回復を、幸せを与えるというプロ セスを通らせるのです。 

 

今日のみことばを心に留めて今週も歩みましょう。 

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